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振り出しへ戻る & プランニングの醍醐味 - その1

 何度か書いたが今シーズン、あるF1チームにスポンサーをつけるべく、相当な時間を費やした。顧問にマーク・ギャラハーに入ってもらい、万全の体制で臨んだ。そしてもちろんスポンサーも真剣だった。

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 唯一の不安要素は〝コロナ〟だった。これだけは読めず、ウチらの懸念が10だとするとスポンサー側は20くらいの心配をしていた。

 しかし残念ながら開幕戦には間に合わず、そこに関してもスポンサーは誠意のある態度で『日程的に間に合わない事をチームに伝えて欲しい。但し検討は継続する』と言ってきた。これがバーレーンGPの二週間前。ここだけ見てもこの会社がどれだけ真剣に考えているか分かった。

 この動きを察知した他チーム - それはアルピーヌだが - からのアタックが入ったがそれはスポンサー側で断ってくれた。『今、話しているところがありますから』と。

 開幕戦を迎え「今年はちゃんとできるんじゃないか?」と言う空気感が漂ったが、やはりと言うか、なんと言うか…カナダ→NG、代替えにトルコ決定→後にトルコNG…

 彼らはお客さんを抱えている会社だけに『この状況は去年より難しいですね…』と、あちらも段々弱気になってきた。

そして一ヶ月前の決断。

『今シーズンは諦めましょう』

と言ってきた一週間後、彼らの地は感染が蔓延し始めて緊急事態に陥った。

彼らの〝読み〟は正しかった。

 彼らは『決定に半年掛かるから、今年の初夏くらいから来季の事を考えましょう』と言ってくれた。これでウチは振り出しに戻ってしまったが、ちょうど止めていたKARTの件があったので、すぐにそちらにシフトした。

二日前。

 そろそろ帰宅を、と帰り支度をしていたら、一通のメールが来た。スポンサーからだ。『急にごめんなさい。会社としてやはりプロモーションがゼロは不味いと言う話しになったので連絡をください』

 すぐに連絡をすると担当者は『感染拡大でリモートなんですよ』と、やるせなく話し出した。そこでリクエストとしては『F1かFEのe-sportsならバーチャルだからコロナに影響されないと言う結論に至った。これは会社としての決定です』と話し出した。

『ついてはこの予算で纏めて下さい。お願いします』と。

予算はかなり大きい。SFなら完全にフルカラーだ。

 幸い今、e-sportsのトップクラスで頑張っているベローチェの代表が、昔、うちにいたスタッフだ。彼は今、アルファのe-sportsをやっているのですぐに連絡を取った。

しかしちょっと待てよ?と考えた。

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 昨日、前から話していた日本のオイルメーカーのディストリビューターとしての仕事。これはイギリスでやるのだが、これには今のパートナーの協力が必要不可欠。パートナーの会社の親、つまりはキングの親だが、パパキングは世界の流通王で、英国のスーパーチェーンやアメリカのウォルマート、日本のイオンまで強いコネクションを持っている。

 今回の英国のオイルの販売網もこの会社の協力がないと出来ない話し。だとすると、こちらも少し仕事を持っていかないとちょいと分が悪い。

そこでe-sportsに関する件をぶつけてみた。

 この会社の代表は前職がルノースポールにいた関係で、ジョーダン・キングをアルピーヌのシミュレータードライバーに入れる事に成功している。

 彼は『ウチができるのはF1チームのAとB、後はF1/FEのe-sportsの大会スポンサーが話しを纏められる』と言ってきた。そこで「ベローチェとマークにも話しを入れているので、GWRに対してプレゼンしてくれないか?」とリクエストをして了承を得た。

 昨夜、電話が来て『月曜日にBチームが話しをしたいと言ってきた。ファクトリーに行ってくる。』と連絡。コロナ禍の不況だ。チームも喰い付きが違う。

そんな話しをしていたらベローチェも資料を送ってきた。

『今、ダカールにいるんだよ』

「は?ダカール?何してんの?」

なんと新しく始まるエクストリームEをやっているのだと言う。

octane.jp

 なんとも皆んなアクティブだなぁ、と。

  「ところで…」と、スポンサーに質問。「何かをしないとまずいのは分かるけど、なぜもう一度F1レベルを?」と質問した。

 『実はあれから社内でかなりの話し合いになりました。一度はBF3も検討しました。しかしやはりFIA F4からF3、F2までスポンサーしたからやっぱりF1をやろう、となったんです。ただこう言う状況だし。それでバーチャルだったら影響が少ないと言う結論になり、来季への橋渡しを含めてあなた達に纏めて貰おうとなったんですよ。』

ありがたいですよね。

この項、今後も継続していきます。

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