
一旦契約したものの、コロナ禍で実行に移さないまま終了してしまったプロジェクトがあった。
確か2019年の暮れに契約を締結した。
オーダーをまとめたのが2020年1月で、そのままコロナでロックダウンに突入した。
それからあの苦痛でしかなかった二年半にわたる長い長い閉鎖期間に入った。
家内にこう言った。
「何も動かない時はまぁ何とかなるものなんだよ。問題はコロナ明けてからの1−2年だよ。その間に潰れるところが頻発するよ。そこを乗り切ればある程度まで先が見える。」
と言った(らしい。割と最近言われて思い出した程度)。
実際、コロナ明けてからのこの1−2年、家の近所はシャッター街になり、倒産・破産が相次いだ。
「残る仕事はちゃんと残る」
そう言い聞かせながら、コロナ前からの業務をひとつずつ再開させていった。
一度にバッとやらないのを見て、随分と事情や、やり方の考えを無視した誹謗も多かった。
文句はカネを出してから言え。
その中で一番どうしようか悩んでいたのがRACING KARTの輸入代理の件だった。
そのメーカーは本国のイタリア、米国・カナダでは結構活躍している。
しかし世界選手権に参加していないので知名度は低い。
が、参加している各選手権では間違い無く結果を残している。
2019年にアジアの代理店をやらないか?と声を掛けてきて、しばらくリサーチした。
これは行ける可能性があると感じ、契約をしたが前記の通り。
その後の情勢は常に見ていて、オーストラリアまでは広がって行ったがアジアはまだ無い。そこで再開の打診をしたところ、すぐに話が始まった。
日本・中国・韓国・台湾・フィリピン・タイ・マレーシアにインドネシア、インド。
広範囲だがネットワークがあるのでどの国でも動かせる。
メーカー側もそこに魅力を感じているのだろう。
話しの“席”は取っておいてくれた。
そしてまず【基本合意】は完了。
これから二ヶ月かけて詳細を詰める。
さてF1では角田選手がなかなか厳しい状況にあるようだが、ここで契約の難しさやポイントをちょっとこのKARTのケースに併せて説明する。
KART本体は特に言うこと無し。
そのままの状態での売買契約を締結。
目を付けたのはウェアの部分。
とあるレーシングウェアで有名なメーカーで作っているが、その会社、最近問題が起こっており、品質が低下していると言う話をあちこちで聞く。
そこでアジア(うち)はウェアを自分達で作る権利をくれ、と契約に押し込む事にした。しかしメーカーサイドは我々にモノを売るのが商売。その商品をむざむざ他人にあげるワケは無い。
そこで、こちらからの提案は【利益の譲渡】である。
- ウェアはうちで作ります。
- ロゴとアイデンティティーはそちらマターです。
- 売れた分の利益からX%を本社に支払います。
この三つの条件を並べる事にした。
青のスリッドのウェアに赤のストライプ。
悪くは無い。
しかしそのメーカーの作る服は最近、発色も悪く、生地も良くない。
どうせイタリアのメーカーは中国で作っている。
だったら中国に近いうちが、もっといい生地で作れば良いのが出来るに決まっている。
うちのユニフォームを作ってる会社は生地も発色もメチャクチャ良い。
最初は
「アジアで売る部分はウチで作ります」
が、これは建前。
本音は、後から本社が「全部作ってくれ」と言う言葉を発するのを待つ作戦。
これがビジネスであり戦略。
いくらで仕入れ、いくらで売る、は誰だって出来る話し。
それスーパーマーケットの商売であり、角田くん達の交渉。
まとまる訳が無い。
ただの仕入れる話から、逆に一部の製造を請け負う構造に作り上げるのが、クリエイティブなビジネスでしょ?と考える。
ギブ & テイクでしょ?
ギブばっかじゃまとまらないですよ。

彼ら、イタリアや米国・カナダ、オーストラリアのマーケット持っているんだもの。小規模でも年間で○千万円にはなる商売になりますよ。
Xで少し話したが、学習塾の件も同様。やはり他との話しは流れたらしい。
値下げするから買い取ってくれないか?と来た。あくまでもマカオGPが終わるまでは話し合いには応じないとしてある。
縁があれば来るし、来なきゃ縁が無かったって事。
“戦略”
を持たない交渉は、結果、後で苦しみますよってハナシ。

