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イギリスの名門、大丈夫?

 今シーズンはじめ、よく知っているドライバーから『インディに出る方向に動いている。手伝って欲しい。』と連絡がきて動き始めた。

 このドライバーのマネージャーが、かつてウチのチームのドライバーで昨年、ドライバー本人を連れてマカオに遊びに来たりしていた。そしてシーズンイン前のテストを何度か走った。
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 ところが新たにそのプロジェクトマネージャーになったと言う別の人物の言っている話しがシッチャカメッチャカで、何が事実で何が希望的観測なのかサッパリ分からない状態になった。

 チームは良く知るチームなので、代表に直接聞いた。すると『彼は出られるか否かは全く分からないよ? それだったらもう一人、全戦は出ないけど凄いのがいるから、そっちで動いてくれないか?』となった。


 メキシコ人のその彼は開幕戦から目覚ましい活躍を見せこちらの期待も高まった。そしてスポンサー候補との話しがかなり煮詰まり、インディのスポンサーに纏められるか?となったギリギリのタイミングで例の枕割込み騒動が勃発。スタッフは足りないわ、リソースは完全に枯渇するわで嫌な予感がした。

 ここはまさに自分の勘でスポンサー候補との話しを止めた。勘ピューターのリスクメーターがマックスに振れていたからだ。チームから何度も『何とかならんか?』と言ってきたその日、ドライバーはクラッシュした。それも所属ドライバーが連発で。

モノコックはフルにまわしている為スペアは無い。そしてチームのインディは終わった。

 その後、後出しジャンケンで入ってきた枕の代表の言葉にチームは傷つき、その栄誉は貶められた。そのままにしとこうと思ったが、それも悪いと思って、止めた理由を簡単にメールして終わりにした。

しばらくすると
『本当にありがとう。心が震えたよ。あんな色々言われて事実無根の記事まで出ている。君らは読みました?よほど反論しようと思ったけれど、止めておいた。先を見た方が良いからね。この先もドライバーは前へ進むから何とかしてもらえないか?』と言う返事を貰った。

 しかしその2日後、急にトーンダウンしたメールが来た。『彼はあと1戦だけ出て辞めるだろう。日本に行くようだ。残念だ。』掛ける言葉も無い状態の中、更に追い討ちを掛ける様な出来事が起きた。

 あろうことか、チームのオーナーの息子が降りた。このチームのオーナーはこのドライバーの父親だ。そして空いたチームは良く知っている友人達が収まった。流石に友達が乗ってもおめでとうも言えない空気だ(今週は乗っているが…)。
おそらく息子は来季、よそへ移籍するだろう。そうするとその父親がそのチームをいつまでも支援するとは思えない。

 最近になり、枕が来季インディをフルにやるかもしれない?と言うニュースが出てきた。元々、枕をこのチームに押し込んできたのはこのドライバーの父親だ。もし英国のチームが撤退し、枕が全てを引き取るのであれば、それはそれで被害が少なくて良い。父親も息子がF2のチーム名でやるよりF1チームの名前でやる方が良いと考えるのが普通だろう。

 それにしても、この愛すべき英国の名門チームが間違えたのはただひとつ。違法な金融業者を招き入れた事だ。

 こう言う誤った連中を引き入れると何が起こるか?不思議と運が良い方に回らなくなる。我々、日本人は過去にF1で何度もそれを見ているでしょ?
 スーパーアグリなんか典型的にこう言う輩に食いつぶされた典型例だ。代表者だった方は会社を辞め、破産しその後、鬱になったりして気の毒な状態だ。

“この世に悪が栄える事はない”と言うヤツです。

 昨年の初頭、問題になったオーナー商法でカネを集めてスポンサー費にまわしていた事件。被害者団体はチームやドライバーに支払われた金額とそのカネの流れを明確にする様、裁判所へ正式に求めたと言う。被告からの和解条件で弁護士のHPは見れなくなっているが、リポートは送られて来ているので目を通すと、つまりそう言う話しだ。
 また同じレースグループが新規に連れてきた新しいスポンサーもまたもや似たり寄ったりで、既に一部で事件化してしまっている。なんでこう言うのしか引っ張ってこれないのかは別にして、ウチがこう言う会社と絶対に付き合わない理由は簡単だ。結果的に自分たちが崩れてしまうからだ。

“カネに色は付いていない”とはよく言った言葉だが、現代は“カネに色が付いている”事は例の吉本問題を見ても明らかだろう。すでに英国では金融庁に相当する部署が情報収取していると言う(実際に話しを聞かれた)と言う話しが出てきているが、明るみに出た時、大変だろうなぁと言う感じだ。

いずれにしても、この愛すべき英国の名門チームがこれ以上、悪くならない事を願うばかりである。

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