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吊るしのF3とオーダーメイドのF3

数年前、日本のふたつのチームからヨーロッパで走るF3車輌を買いたいと言う申し出を受けた。

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その当時、ウチのチームはヨーロッパF3で圧倒的な強さを誇っていたが日本からのオーダーと言う事であえてプレマ号は辞め、ハイテックに話しを入れた。
するとチームは自分に対して激怒。
怒られる理由が分からない。

あの当時、レギュレーションで禁止される前だった為、プレマ号は風洞実験にかけ、ありとあらゆる細かな改造(空力デバイス)が施されていた。一方でハイテックのクルマはほぼスタンダード。

あらゆるパーツで武装されたマシンは日本の独自のレギュレーションに照らし合わせると違反になる。従ってその追加パーツを外せばマシンのバランスは崩れる事は目に見えていた。
日本独自のレギュレーションとは“そこまでやったらお金が掛かるからヤメましょう”と言う自主規制に近いものだ。

完全武装したクルマからあれ外した、これ外したらどうなるか?
考えなくても分かる話しだ。

まして売る先はスーパーFJもまっすぐ走らせられないチームだ。
それであれば実績のある(当時の)Nクラスのチームにお金を払って結果を出し実績を作り、その後に(当時の)Cクラスへ行くべきと強く抗議した。

話しは戻るが日本のF3は日本F3協会がまとめている。
実質はルマン(チームルマンではない)が取り仕切っている。

インポーターが日本の経済バランスと(当時の)F3と言う車輌レギュレーションを鑑みて、エントラントの負担を軽減しながら展開するシリーズと、フェラーリやダラーラの風洞実験室を使って作り上げるクルマは当然違う。

そこにmoto parkやカーリンが入ってきたら、"そりゃ違うんじゃない?"と言う話しになる。トムスは国内で独自に開発する能力ががあり、当然、開発出来るところはするでしょう。
トムスは前にもFIA-F4で失格を味わった経験があるが、あれも製品ムラをキチンと整えた結果、レギュレーションをはみ出してしまった。

今回の件でだらしないのはJAFである。
抗議が出た。
『何だこんなドキュメンがあるんだ。あ!FIAのサインがある!!!じゃあこれに従って失格にしましょう』
じゃないんじゃないの?と思ってしまう。

それだったら私たちが日本F3協会の海外代理人を務めていた時に発覚したJAFのスーパーチョンボ、どうするのよ?となる。

吊るしのスーツとオーダーメイドのスーツ。
成りは同じでも袖を通したらその違いは一発で分かる。

もう今年からこの旧F3レギュレーションは事実上のリブレになっているんだから、日本独自のものとして形成すべきなんじゃないかな?

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